蓮香樓(香港・上環):老舗茶楼で、本物のオールド香港に出会う。早朝がおすすめ

香港
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香港の食べ物といって思いつくのは、まず真っ先に「飲茶」でしょう。
しかし、実はこの「飲茶」という言葉が料理名であることを勘違いしている人は多いと思う。実際にネットを見回しても、混同している人をよく見かける。
・・・もちろん、私も、飲茶=点心だと思ってました。

飲茶(ヤムチャ(広東語)、英語:Yumcha)とは、中国広東省、香港、マカオを中心に行われている習慣で、中国茶を飲みながら点心を食べることである。広東省出身の華僑・華人が多い中国国外のチャイナタウンや、国内の一部ホテルの朝食などにおいても行われている。茶は味の濃い点心と相性がよいことに加え、消化を促進する作用があり、また点心の油分の吸収を阻害する手段にもなっている。(Wikipediaより)

・・・食べ物じゃないんですね。飲茶は。

飲茶といえば、提供スタイルは2種類。ワゴン式とオーダー式。
もともと、飲茶はワゴン式で供されるものでしたが、近代化に伴って、オーダー式が普及したそうです。

ワゴン式の飲茶は、目当てのものがなかなか回ってこなかったりして、確かに非効率なんですよね。

でも、これが本来の飲茶。そして、だんだんとこのスタイルのお店が減ってきているそうです。

ワゴン式は、店員が厨房からセイロに入った料理を乗せたワゴンを運んで店内をくまなく巡回し、食べたい人はそれを止めて食べ物をもらう。
席に座ったときに渡される、「小」「中」「大」「頂」などと書かれたシートを店員に渡して、該当の場所にスタンプをもらう。この「小」「中」「大」「頂」は、金額です。料理の大きさではありません。
最後にはそのシートを会計時に渡して勘定をするスタイルです。

そんな元祖飲茶を、創業80年以上の、古きよきオールド香港の雰囲気の中で楽しめるのが、上環の、「蓮香樓」

よくある、リノベーションとか、古さを演出したお店じゃありません。
本当に古いんです。

お店の階段を入ると右側にレジがあります。
店員が席に案内するそぶりを見せなければ、そのまま中に入って自分で席を確保します。

だいたいその席の近くに担当のスタッフがいますので、声をかけて座ります。お茶と注文シートを持ってきてくれます。

青い服を着た人がワゴンを巡回させるスタッフです(全員おばちゃん)
大きな声で、食べ物の名前を連呼しながら巡回します。

お店の人は広東語が通じないと思えば、あえてオーダーを聞かず、クセのないお茶をチョイスして持ってきてくれます。

時刻は7時半。7時半です。あの柱時計がおかしいんです(笑)

お茶と食器が用意されたら、まずは、香港の大衆食堂での儀式。食器を洗います。スタッフさんも「食器を洗ってね」と身振りで教えてくれます。言葉がまったく通じない客に慣れっこな感じです。さすが観光客にも人気の店。

みんな手でやってましたが、なんとなく、気になったので、箸を先に洗ってから食器をつかんで洗いました(^_^;) 正直洗わなくても大丈夫そうでした。というか、気になる人はこんなんじゃ、洗った気はしませんよね(笑)

実はこれが人生初の飲茶。それをこんな歴史ある茶楼でいただけて感激です。
左下に注文シートが映っていますね。料理をもらうとき、ここにスタンプを押してもらいます。

すいている時間帯なら、新しく入ってきた客に気づいて、めがけてやってきます。

一応、メニューはこんな感じです。金額しかアテになりません。
実際にはここに載っていない料理が出てくるし、ここに載っている料理がいっこうに出てこないし。

一人で訪問し、3品とりました。

えびしゅうまい

これは玉子の黄身が入った点心

猪腸粉

正直、もっとおいしいお店はほかに沢山あるのかな、という感じでした。
でも、この雰囲気を味わえるお店はとても少ないです。このお店だって、いつ、近代化の波にのまれるかわからない。代がかわれば、考えも変わり、お店のありようも変わってくるかもしれない。

そう思うと、ここでの飲茶体験はかなり貴重だと思います。

相席だった、地元の常連客の男性は、座ると、食器は洗うものの、おもむろに新聞とipadを出し、お茶を飲みながら、それらに目を通し始めました。
飲茶にまったく手を出さない。いっこうに手を出さない。まるでカフェにお茶を飲みに来たようでした。

30分くらいすると、ようやく、行き交うワゴンを気にし始め、いくつか料理をチョイス。

どこもそうですが、混雑時間は席を取るのもひと苦労だそうで、食べたいものがあったらワゴンの前に人が群がってワゴンはすすめません。そうなると、自分も、自分から取りに行かないといけません。

なので、早めの時間がオススメです。早い時間は案外すいていて、常連さんが多く、和やかな雰囲気。1時間半ぐらい滞在してしまいました。が、現地の人にとっては飲茶はこういうものだそうです。本来ゆっくりお茶をし、語らい、食事をするところ。

観光客が増え、戦場のようになってしまいましたが。

というわけで、早朝の蓮香樓、おすすめです。

ちなみに、一言も言葉を発さなくても大丈夫です!身振り手振りでなんとかなります。

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